スクリプター(記録)の仕事とは?テレビ現場で求められる精密さ

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テレビドラマや映画の現場で「スクリプター(記録)」と呼ばれる裏方スタッフをご存じでしょうか? 撮影内容を正確に記録し、映像の整合性を保つ重要なポジションです。本記事では、スクリプターの仕事内容、必要なスキル、1日の流れ、就職方法などを詳しく解説します。

スクリプターとは?

スクリプター(記録)は、主に映像作品の撮影現場でカットごとの内容や台詞、衣装、小道具の位置などを細かく記録し、制作全体の整合性を保つ役割を担います。映画やテレビドラマ、CMなどの現場で欠かせない存在です。

スクリプターの主な仕事内容

  • カットごとの記録:撮影したシーンの時間、台詞、演技内容、NGやOKカットなどを詳細に記録。
  • continuity(連続性)の確認:衣装の乱れ、小道具の位置、演技の動きがシーンごとに矛盾しないように管理。
  • 台本との照合:アドリブや変更点を把握し、編集時に参考になるよう記録を残す。
  • 撮影データの整理・提出:監督・編集担当者へ正確な記録を共有。

映像編集や演出判断の基盤となる「記録資料」を提供する、非常に責任の大きな仕事です。

1日の仕事の流れ(ドラマ収録日)

  1. 8:00|現場入り・準備:台本とスケジュールを確認し、カット割りのチェック。
  2. 9:00|撮影開始:各カットの演出内容、セリフ、動き、NGなどをリアルタイムで記録。
  3. 12:00|休憩中に内容整理:午前中の記録内容をまとめ、必要に応じて監督とすり合わせ。
  4. 13:00|午後の撮影:引き続き continuity の管理と内容記録。
  5. 18:00|撮影終了・提出作業:記録資料を整理し、編集担当へ共有。

瞬間の判断力と正確な記録力が求められる、集中力の高い業務です。

スクリプターに向いている人の特徴

  • 几帳面で記憶力がある:細かい変化を見逃さない観察眼が必要
  • 文章力と整理能力がある:記録資料は読みやすくまとめる必要がある
  • コミュニケーション能力:監督・カメラ・照明・美術スタッフとの連携が多い
  • マルチタスクが得意:複数の要素を同時に処理できる能力

就職・キャリアのスタート方法

スクリプターになるためには特別な資格は必要ありませんが、現場経験が重視されます。

  • 映像系専門学校に進学:撮影・記録に特化したコースで知識を学ぶ。
  • 制作会社・テレビ局の記録部に就職:アシスタントとして経験を積み、スクリプターへ昇格。
  • フリーランスとして独立:経験・信頼があれば、作品ごとに依頼を受ける形で活躍可能。

収入と将来性

  • 年収の目安:初年度は250万〜350万円ほど。フリーや大規模作品の経験を積むことで年収600万円以上も可能。
  • 需要:映像制作全般で必要とされるポジション。編集や演出との橋渡しとして欠かせない。
  • 将来性:経験を積むことで演出補や制作進行などへのキャリアアップも可能。

スクリプターは表舞台に立つことはありませんが、作品のクオリティを守る縁の下の力持ちです。撮影現場での記録が正確であればあるほど、映像はスムーズに編集・完成され、視聴者により良い体験を提供できます。映像の裏側に興味があり、細かい作業が得意な方には、まさに天職といえる仕事です。

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